「免疫力アップ」は漢方薬の得意分野といわれます。もちろん、コロナ禍にも強い味方。
わたしの漢方歴は、8年ほど。
漢方薬を処方されたことをきっかけに、漢方医学について大学の生涯学習講座で学びながら、
国際中医師免許を取得している中医師さんの漢方薬局にかかるようになりました。
専門家から学んだ漢方薬の基礎知識や、
自分にあっているかを確かめる方法、
西洋薬との違いなど、
漢方薬を使う上で「大切だな」と思うことをお福わけします!
アラ還母が専門家に学び、助けられ、実践しているリラックスの方法を「セルフケア&セラピー」シリーズで各種、お福わけしています。
心も身体も無理なく、愉しく(^^)
ご自分に合った癒やしの方法が、きっと見つかります。
是非、お試しください!
漢方薬って何? 『日本漢方』と『中医学』
日本には「漢方」と呼ばれるもののなかに、「漢方医学(日本漢方)」と「中医学」があることを、ご存じですか?
わたしは気に留めたことはなかったのですが、
テレビで観る大学病院やクリニックの漢方医たちは必ず「腹診」をするのに、なぜ、かかりつけの漢方薬局の先生は「腹診」をしないのかな?と、ずっと疑問には感じていました。
「先生ったら、手抜きしているの?」と勘ぐっていましたが、
かかりつけの中医師さんは北京中医薬大学で習得した「中医学」理論に基づき、「腹診」ではなく、「舌」や「脈」など「四診」という方法で、その人の「体質」を見極めて治療していたと知り、納得した次第。
一方、「漢方医学」のルーツは「中医学」ですが、日本で独自に発展して「腹診」を重視し、「そのときの状態」を見極めて薬を選びます。保険診療で行われているのはほぼコレだとか。なるほど、だから、テレビに出演する先生方は「腹診」をしています。
とはいえ、ふたつを「折衷」した形も多いそうです。
西洋医学との違い 西洋医学は「病を診る」漢方医学は「証を診る」
では、
漢方薬って、西洋薬と何が違うの?
漢方医の先生方は、
「西洋医学は、『病名』をつけて局所治療をする。
一方、漢方医学は、『病状の大元の原因』を治療します」といいます。
「漢方医学」も「中医学」も、
五臓(肺 心 脾 肝 腎)六腑(胆 小腸 胃 大腸 膀胱 三焦)や
身体をめぐる「気」「血」「水」の状態などから、
その人の「体質」や「症状の根本原因」をあらわす「証」の診断をし、
「証」にあった漢方薬を選び、『病状の大元の原因』を治療するのです。
この点が、西洋医学とは大きく違います。
例えば、
高血圧症の場合、西洋薬は血圧を直接下げる薬をのみますが、血圧が上がる原因は治療しないため、薬を止めると血圧は上がってしまいます。
漢方医学では、「証」を診断して、血圧があがる病因を治す漢方を飲むので、「漢方薬を止めても血圧は安定します。
目の疲れは、目薬でなく、「肝」にアプローチ
最近は、
リモートワークやオンライン作業でパソコンの前にいることが増え、目の疲れを感じる方もいらっしゃるのでは。
目の疲れというと「目薬で治そう」と考えがちですが、漢方では、目は、五臓六腑のなかで「肝」と関係があるので、「肝」にアプローチします。
「肝」とは、肝臓より広い機能を含んだ「全身の機能を調節する」働きを指し、ストレスなどに関係が深い「神経」といった感じ。
先日、わたしは、目の疲れからくる頭痛があったのですが、「肝」の働きを高める生薬が入っているコ菊妙見丸を処方されました。
目薬は一切使わず、目の疲れや痛み、頭痛もスッキリと治りました
大元の原因にアプローチ だから、1つの漢方薬で複数の症状を治し予防できる
「肝」が弱ると、目の不調のほか、イライラしたり、筋肉の緊張やめまい、血圧上昇などの症状が現れます。
逆に考えると、目の不調やイライラ、緊張やめまい、血圧上昇などがあれば、「肝」の不調を疑い、「肝」を元気にする漢方を飲めばいいんだなと思うようになりました。
娘(20代)は、長年、目に違和感があると訴え、何人もの眼科医にかかりました。が、検査しても目の異常は全くなく、でも、症状はなくならず、ずっと困っていました。
ところが、
生理前のイライラを鎮める目的で、抑肝散など「肝」に働く漢方薬を飲み始め、気がついたらいつの間にか、目の違和感が改善していました。
症状の大元の病因である「肝」を治療したことで、
イライラや緊張状態とともに、
目の調子も改善するといった複数の症状に効果が出るのも漢方の特徴です。
悩まされていた複数の症状が一気に改善するのです。
娘は、いまでも、たまに目の違和感を訴えます。
このサインで心身の状態をチェックでき、
「あ、いま、ストレスで『肝』が疲れているんだなあ。ゆっくり休もう!」と、
漢方薬を飲んだり、お灸をしたりストレッチをしてセルフケアをしています。
目に違和感があれば、目に関連する肝を診て、肝がどういう状態かを診断し、適切な治療することで、イライラや不眠なども防げるのです。
こんなふうに、自分の「証」により、ダウンする前に病気を予防できるのも漢方の特徴です。
ただ、一方で、
T漢方医は、
「「そのときの状態」を見極めて、『証』を正しく診断するのは大変難しい。それなのに、実は、日本の医学部で、漢方医学(日本漢方)を学ぶ時間は、非常に短いのです。
結果、日本にはきちんと診断できる医者が少ない」とも打ち明けてくれました。
ちなみに、「体質」を見極めて治療する「中医学」の方が、診断しやすいと聞いたことがあります。が、素人には、いずれにしても、よく分かりませんよね。。。💦
漢方薬が自分にあっているかを確かめる方法は?「自分の体の反応」や「感じ方」を優先する!
では、
どうやって、自分に合っている漢方薬を知ることができるの?
いまは、一般のクリニックや病院で漢方薬を処方される機会も増え、漢方薬外来などもでき、保険適応の漢方薬から自由診療のもの、ドラッグストアで市販されているものまで手に入れる方法は難しくはありません。
だからこそ、専門的なことは、正直、分からなくても、
「自分に合った漢方薬と巡り会いたい!!」。
そこで、わたしが選ぶ基準にしているのは、コレ。
「飲んでみて状態がよくなること」(当たり前。ですが、医者が出してくれたからという理由で、効果の出ない薬を飲み続けていませんか?)、
そして、何より大切にしているのは、
「飲み込むときに匂いや味やその他の飲み心地が『気持ちいい』」こと。コレ!
これは、精神科医の神田橋條治先生が著書『改定 精神科養生のコツ』(岩崎学術出版社)で、漢方薬が今の自分の状態にあっているかを確かめる方法をいくつか挙げていて、そのなかからわたしが実践している方法です。
漢方薬は効き目が遅いといわれますが、神田橋先生は「効き始めるのは数時間。飲んで数時間経って状態がよければ有効」だとしています。
たしかに、イライラに効くといわれる抑肝散や
神経をリラックスして喉のつまり感を解消する半夏厚朴湯には、
即効力を日々感じています
さらに、
味が苦いときでも、自分の状態にあっている漢方ならば、その苦みが「気持ちいい」はずだから、
「医師や薬剤師の判断」よりも、「自分の体の反応」や「感じ方」を優先したほうがいいと言い切ります。
確かに、漢方薬を使うようになり実感することは、先生に勧められたり、〇〇に効くといわれて飲んでみたけれど、
「なんだか飲みたくないなあ」と感じる漢方薬があることです。
同じ漢方薬でも「今日は、なんとなく気持ち悪い」と感じて飲みたくないこともあります。
また、漢方薬にも副作用はあります。
中医師さんは、「西洋薬と違い、漢方薬はたとえ副作用がでても飲むのを止めたら問題ない」と話しますから安心はしていますが、
薬である以上は過信せずに、自分の「感じ方」を頼りに、自分に合う薬を選んでいきたいです。
こんなこともありました。
50代前半のころから、更年期症状なのか、わたしは、手のむくみ(特に朝)に悩まされ、念のため、リウマチの検査もしましたが異常なく、漢方の出番となりました。
子宮筋腫やぜんそく持ち、脂質異常などわたしの「体質」を診て、当初、中医師さんから、桂枝茯苓丸(血液ドロドロを予防し肩こりや頭痛、腰痛や子宮内の血液改善にも効く)をすすめられましたが、
なぜか飲む気がしないことが多く、薬も余っていくばかりでした。
思い切って、先生に「桂枝茯苓丸はなんだか苦手です」と訴えて、薬を変更してもらったことがあります。その後は、「飲み心地のいい」丹心方を飲んでいます。
漢方薬選びは、自分の感覚や自分が感じる効き目を大事にしたい
漢方薬に限らず、薬に違和を感じたり疑問が生じたら、
医者としっかり話して、自分が納得する薬を飲もうね
西洋医学、漢方医学両方をうまく取り入れて
T漢方医によると、
西洋医学は、「病気の診断検査、外科手術、救急医療、細菌感染症」の治療に優れているので、これらの分野は西洋医学で、それ以外は漢方医学で治療するのがいいとのこと。
病気になったら、西洋医学、漢方医学のどちらか一方だけで治らないとあきらめずに、
両方をうまく取り入れて対応していくことが大事だと、わたしは理解しています。
頭痛のとき、鎮痛剤を長期にわたり飲み続ける友人が何人もいます。
漢方薬も考えるように勧めますが、一向に聞く耳持たず、西洋薬に頼り切りです。かつては、わたしも漢方薬の敷居が高く、怪しい感じさえしていたので、気持ちはわかります。
が、漢方医学を勉強したら、ああ、もっと早く知っていたらと思うことばかり。
もし、頭痛にお悩みであれば、
鎮痛剤で痛みをとるのでなく、痛みが出る原因を探って、たとえば、血流が悪いことでおきているのか、気の巡りが滞っていることが原因なのか、「証」を診断し、病因を治す漢方薬を飲むことも選択肢の一つに取り入れてみたらいかがでしょうか。
そして、
自分の体の主人公は自分
医者任せにせず、「自分の感じ」を大事にして、お医者さんとともに治していく姿勢を、わたしは心がけています。
まとめ
- 免疫力アップは漢方薬の得意分野。コロナ禍にも強い味方!
- 日本の『漢方』には、『体質』を見極めて治療する『中医学』と、『そのときの症状』を見極めて治療する『漢方医学』がある。
- いずれも『証』を診断し、「大元の病因」を治療するので、1つの漢方薬で複数の症状を治し、病気を予防できる。
- 自分の身体の主人公は自分。専門家任せにせず、漢方薬選びは、「自分の感覚」を大事にして!
- 治らないと諦めずに、西洋医学と漢方医学の両方をうまく取り入れて対応する。
漢方薬は、中医師さんがいる漢方薬局のほか、
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アラ還母が専門家に学び、助けられ、実践しているリラックスの方法を「セルフケア&セラピー」シリーズで各種、お福わけしています。
心も身体も無理なく、愉しく(^^)
ご自分に合った癒やしの方法が、きっと見つかります。
是非、お試しください!